聲の形NHKテレビ放映を見た感想。人間関係について。Twitterで起きたこと
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みかさ

8月25日、日テレ24時間テレビの裏側、NHKEテレにて映画「聲の形」が地上は初放映されました。
夏の終わり、24時間テレビ裏と言うこともあって、なにも考えずに見たら、
この映画がイジメや障碍者といったテーマを扱った作品であると認識しそうではあるけれど
聲の形はそれよりもずっと深く人の根幹的な主題があると思う。
テレビで放映されるまではまったく興味が無く、京都アニメーションがまた映画作品を作ったくらいにしか思っていなかった。
しかし、Twitterで聲の形について断片的な感想や解釈、考察を見ていくうちにこの作品が普通のアニメ作品では無いことに気がついた。
評価の高い原作そして、ハイレベルな作画と脚本による名作アニメであることは間違いないのだけど
あの日真剣にこの作品を見られたことそして劇場で見なかったことに幸運を感じた。
と、いうのも聲の形は音響にこだわりすぎてサウンドトラックが逆相になって籠もったような演出がかけられている
あれを映画の爆音で聴かされていたかと思うと耳の調子が最近良くない自分では終始耳が詰まったよな重いような圧迫感にずっと耐えることになっただろう。
しかし作者側からしたらそれもまた狙いなのかもしれないと思った。
部屋の灯りを少し暗くして、テレビの映像設定をシネマモードに切り替えて
何かに挑むようなつもりで、聲の形を試聴した。
NHKなのでCMが入らないので映画館以上に集中できるが、内容的にも休むところもなく2時間10分の放送時間が思ったより長く感じられた。
それでも最後の最後まで見てしまったのはこの作品が持つ強いメッセージに心が締め付けられ離れられなくなったからだろう。
映画を見終わると、随所にちりばめられた作品のリアリティに息が苦しくなるほどだった。
人とはなんて不自由で不器用な生き物なのだろうか。そう感じた。
※この記事は5千字程度あります。所要時間は10分以上です。
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この作品を見た人の多くは、おそらく石田くんが西宮さんをいじめていた理由や
いじめられていた西宮さんが石田くんに対してあなたとわたし友達と語りかけようとしていた理由
西宮さんが自殺しようとした理由、結弦が写真をばらまいた理由など
意味を沢山探してしまうことだと思う。
それはそのはずだ、人が動くこと思うことには全て意味があると一般的は教えられているから。
そこで、一般的な解釈に基づいて考察していくと、
石田くんは異物感のある西宮さんにちょっかいを出してみたけれど、西宮さんが石田くんが思ったような行動を起こさなかった。
普通の人は嫌なことをされたらいやがるのに西宮さんはいやと言わず常識に反して「ありがとう」や「ともだち」と言ってきた。
石田くんはそれで一種のパニックに陥ってしまい、自分が求める正解が出るまでイジメをエスカレートさせ続けた。
そうやって行くうちに不幸は加速していった。
しかし、石田くんは本当に西宮さんをいじめたかったのだろうか?
逆に西宮さんは石田くんと友達になりたかったのだろうか?
こたえは否だ。
イジメイジメかえされて、人生が行き詰まってしまった石田くんが取った行動は2つ
高校生になると、バイトを初めて母親が支払った200万円をかえして自ら命を絶とうとした主人公。
手話教室へ通い始め、西宮さんへまた接近して何かしようともがき始める。
石田くんはこのときなぜ手話教室へ通ったのかそしてあんなに嫌な思いをした西宮さんに近づこうとしたのか。
おそらく石田くんは小学生時代の”答え”が見いだせずに西宮さんへまた接近することで何かを得ようとしていたと思う。
しかしこれもまた、意味の無い行動と思う。意味が無いというのは主人公にとってなにか明確な意思や目的があっての行動には見えない。
主人公の石田くんは、西宮とコンタクトを取ろうとしている中でまた妹の結弦に写真を撮られてネットに晒されてしまう。
結弦はなぜこんな悪いことをしたのかと普通の視聴者は思うだろうけれどこれにも意味は無いと思う。
なんとなく、カメラを持っていたからとかそれっぽい写真がとれたからと言うような思いつきで行動しているように思う。
極めつけは花火大会であのメンバーが揃ってからすこし空気が改善されてきたと思ったときに西宮さんが取った行動だ。
マンションから飛び降りて自ら命を絶とうとしたこれはアバンの主人公に重なるところがあるが
なぜ死を選ぼうとしたのかしかもどうしてこのタイミングなのかは非常に興味を引かれるポイントに思う。
しかしこれにもまた意味は無いと思った。
他にも遊園地で上野さんが観覧車で西宮さんに怒りやねたみをぶつけたこと。
これは単純に嫌いだからやったと思うのが普通かも知れない
しかし嫌いだからとか言う簡単な理由でも無くやはり意味は無いように思う。
個人的には、西宮さんが最初に転向してきたあたりのクラスの空気感だったり
その後の主人公の心理状態だったり、西宮さんがあのタイミングでマンションから飛び降りようとしたこと
その一つ一つが分かりすぎて辛い。いやそれは分かった気でいるのかも知れない。
それでも、あの感じをいままで幾度となく経験していたことをこのアニメを見て思い出し胸が締め付けられた。
このアニメが表現した”意味”とは?
このアニメでは終盤へ行くに連れて印象的な水の表現が沢山出てくる。
アニメを見終わってもっとも印象に残るのはあの橋と川そして川にいる錦鯉、傘と雨の音だ。
音響が意図的に音を籠もらせている中で水の音だけは鮮明だったと感じた。
傘に当たって始めける水の音や、川の流れる音、川へ落っこちるシーンなど。
水は高いところにあったら低いところへ落ちるし水滴が硬い地面に当たったら弾ける
傘に当たったらポンと音がして流れ落ちる。
水はかならず物理法則になぞってそのままに動くが水自体には意思はない。
これは川にいた錦鯉も同じだ。水の流れに逆らって泳いではいるが鯉に意思があってそうしたいからやっているわけでない。
パンくずを投げ入れたら食べに来るのは意思がそうさせているのではなく太古からの進化でそうやっている個体が生き残ったに過ぎない。
全てはプログラミングであると感じる。
例えるならば、アリやハエが縦横無尽に飛んだり移動したりしているがそれに絶対的な正解や意思は働いていないと思う。
なぜならその動きは大自然の宇宙の中でプログラムされた生き残るためだけの動きだからだ。
大きく言ってしまえば、水が高いところから下へ流れるのと鯉がエサを食べるのはさして変わりがない。
故に、それが本当に自分にとってプラスなのか周りにとって影響が無いのかなどは考慮されておらず自然に動いているに過ぎない。
ここの主人公達もまた虫と同じであり水のようなのである。
人というのは時に酷なものだ。
全ての人が正解を求めて行動しているわけでなく、ただ生命維持活動に重きを置いている
善悪を考えず、自分が思ったままに行動し他人がどう思ったのか、自分が何をしているのかも分からないままに
誰かを傷つけたのか自分の価値を下げてしまったことにも気づかずに意のままに行動してしまっている。
聲の形では自分の意見も言わず他人の言葉にも耳を傾けずに
ただただ、水のように自分が感じたままに率直に行動してしまった。
そうしていると、いつの間にか誰かをいじめてしまったりいじめられたり
自分から死を選ぼうとしたりしてしまっていた。
しかしながら、人間は虫とも水とも違う。知能があり理性があり考え他者と意思疎通を図ることが出来る。
大きな宇宙の偶然で、プールに入った何億ものパーツがランダムに組み合わさった結果出来た脆い生き物だ。
自然の法則にだけに則って行動してはいけない。なぜなら人間は社会的な生き物仇からだ。
自分が起こしている行動が他人からどう感じられるのか
その行動は本当に意味があるのか正しいのか、他者の為に自分のためになっているのか
頭を脳を使って生きていかなければならない。
あるがままに流されるがままに自動的に受け身で生きていては必ず歪みが出てくるのは間違いない。
そういうメッセージを聲の形からくみ取った。
聲の形とは宇宙的な流れに沿った自然なアニメなのだ。
”聾”というのはただのメタファーでしか無くイジメもまたそのちょっとした結果でしかない。
西宮さんだったら聾者でなくても外国人でも都会の学校へきた田舎者でもいいのだ。
Twitterのこと
Twitterと言えば、今やネット社会の中心的存在であると個人的に思っている。
みんながブログをからTwitterへ移行したから何となく初めて
知り合いっぽひとや自分の知っているメーカーだったりを無作為にフォローしていきまた相手もフォローしていく
この始めたばかりのTwitterはまるで、何も知らずにただ近くにいるからという理由だけで集められて
一クラスにされた小学校や中学校のそれに近いモノを感じる。
小中学校でイジメやなにか嫌な記憶が多いのは、その雑多な人種のかき集めが原因だ。
Twitterでは、初期フォロワーと呼ぶその状態は、本当に自分と仲良く出来るのか
自分と相手の距離感は正しいのかよくわからずに
Twitterはつまらないと投げ出したり、相手のことをよく分からず傷つけ傷つけられそんなことを繰り返して
フォロワー、タイムラインは熟成していくが、Twitter初心者なら必ず初期フォロワーの壁にぶつかるだろう。
もちろん自分もその壁にぶち当たった。しかしそれが遅すぎた。
Unknown the Worldというブログと昔相互リンクしていて
tukiziという人をTwitterでフォローした。
フォローしたのは何の理由もないただ
同じ地方住みでヘッドホンが好きでブログをやっていて同年代で
ブログを見るとやる夫のAAがあったりしてとても親近感を覚えた。
彼がつぶやく意味の無いツイートも、実は全く違う世界にいることも気づかずに
ただ何となくの親近感と彼の周りの雰囲気が面白くて近づきたくて
”つっきー煽り”をしていた。
しかしこれは、もうすでに友達という枠の中にいる人だけが許される行為であって
浜田とまっちゃんの激しい掛け合いを他人どうしてやるような危険があった。
自分の最も悪い習慣として、ある一定の自分ルールに達してしまうとかってに
距離感を縮めてしまい、相手に不快な思いをさせてしまう。
もうその時点で、相手が入られたくないテリトリーへ侵入してしまっているが自分は気づかない
これがリアルな教室の中だったらそっと距離を置くことは可能だが
TwitterというTLがぐちゃぐちゃの140字制限では相手がいやがっていることに気づかない。
そうしているうちに不快感を募らせたっぽい相手から自分はTwitter上でブロックされブログの相互リンクも解消された。
しかしながら、その段階で自分が侵してしまったなにかに気づくことは出来ず
テレビで築地の話題が流れてはなにか意識を持って行かれて
百合っぽいアニメを見てはつっきーの顔が頭に浮かん来るはずのない顔が浮かんで来てしまい。
一度も会ったことは無いし写真で本人を見たこともないのであたりまえだ。
しかしそうしていくうちに以前にも増してつっきーについて考えるようになってしまった。
そうしている自分の姿が、小学生の記憶を頼りに西宮さんへ必死に歩み寄った石田くんのようにずっとつっきーへ詰め寄ろうとしていたことに聲の形を見てようやく気がついた。
特に意味も無く詰め寄っていた石田くんが妙に痛々しくもぎこちなく見えたのはそのせいだろう。
7年ほど相互リンクをして、相互フォローをしていてその間ずっと彼のツイートを読んでいたことに
否応にも意味が欲しくて、ずっとずっと彼のことばかり考えてしまっていた。
つっきーは西宮さんみたいに何でも受け入れてくれるような人ではないし
自分もまた、石田くんのように西宮さんに近づく理由はなかった。
いつのまにか、意味の無いことをずっと考えつづけ悩み続け、つっきーにどうしたら興味を持って貰えるか悩み続けた。
しかしそれもまた聲の形とおなじく、意味の無いただ条件反射的な行動に過ぎなかったのだ。
物理法則的な反応のまま感情の赴くままに自分を正しく制御できていなかった。
そこで全く関係の無い人だと頭の中からさらっと流すこともできたのにそれを選ばなかった。
結局、西宮さんを虐めた理由と同じく、つっきーを責める理由は無く
植野さんが西宮さんを嫌いになった理由と同じようにつっきーに嫌われた理由もまた、たいしてない。
Twitterに関しては、相互フォローの年数や趣味嗜好の一致に関係なく
フォローされることもあるし、リムーブされるときもブロックされるときもあるがそれぞれに深い意味はほとんどの場合でないように思う。
なぜならTwitterはかなり突発的なツールであるからだ。
これはYoutubeやブログなどコンテンツを作ってアップしてなどという作業が省略されていることに由来する。
Twitterは人間の反射的な意思をすぐに反映できるツールでもあると言える。
だからこそいままで沢山の人が炎上したり嫌われてきた歴史的な理由がある。
深く考えずに行動すること、相手の話や思いを察すること無く自分行儀な発言や行動を起こしてしまいがちなのである。
tukiziを題材に聲の形に絡めて書いてみたけれど思いの外苦戦した。
なぜならこれが人間社会での課題であり自分の中でも意識すべき最も大きな欠点であるからだと思う。
相手を思いやり行動することこんなことは子供の頃から言われ続けているけれどなかなか
自分の無意識の外で考えるというのは大変なことだ。
朝からに何を食べて何を飲んで、スマホで何を見るかいちいち考えて決めて行動していたらめんどうだし苦しい。
ある程度は、自分の脳に任せて自動運転でも問題ないだろう。
しかし常にどこで自分の意識を入れるか、気を配ることは間違いなく必要だ。
宮崎駿も風立ちぬの制作のときに言っている。
「大事なことは、みんなめんどくさいんだ。」
アニメ映画で、こんなにも心が動かされた作品も久々だ。
とにかく一回で良いから見ておきたい名作「聲の形」。
少し長く書きすぎたので、このあたりで終わりにしたい。
ブログに長々と文章を書くのは楽しく出来るのに、コミュニケーションとなるとなんてめんどくさいんだろう。
おわり。
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