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2015年Stereo8月号

ここ数年、オーディオ雑誌Stereo8月号は、毎年スピーカーユニットが付録に
自作スピーカーコンテストが開催されています。

ある日の夏の夜のこと、
その日は蒸し暑い熱帯夜でした。
アイスノンを枕代わりに、扇風機を回しながら眠れないなと考えていたときのこと、
扇風機の軸が少しぶれていてブーという音がやけに響いているのが気になって眠れませんでした。

寝室にはオーディオセットと布団そして扇風機だけがあるあまりにもシンプルな部屋なのですが、
夏用にパワーアンプをメインシステムへ移動させている関係で、インシュレーターやスピーカーケーブルといった
オーディオアクセサリーが雑に転がっています。


次の日、この変な音を押さえようとぱっと思いつきで扇風機の下にオーディオテクニカのハネナイト製インシュレーターを噛ませました。
制震、オーディオで制震と言えば足下の制御がまず第一です。自分はそう思っています。
するとどうでしょうか、寝るときあんなに気になっていた扇風機の異音がかなり静かになったじゃないですか。
audio-technica インシュレーター 4個1組 AT6091


それに気をよくして、寝る前にふと考えてしまいました、扇風機の接続部をすべてゴムにしたらとんでもなく静かな扇風機が出来るのではないかと。

またそこでおかしなことをひらめき考え始めました。
スピーカーの足下にゴム入れるとかなりS/Nが上がるけれど、そのスピーカーが全部ゴムで出来ていたらどうだろうか?
ちょうど季節を同じくして、Stereo8月号が発売していて今年はFOSTEXのスピーカーユニットが付属すると。



この無謀な発想のスピーカーエンクロージャーは奇抜さだけでスピーカーコンテストで良い線いくのではないかと
高をくくっていました。


決めたら早いです。

さっそく深夜のテンションでA4コピー用紙と鉛筆を取り出して
設計図を書き始め一晩で完成形が見えました。

Amazonで久々のStereoをぽちり、
その週末、ホームセンターへ行きゴム板を物色しては胸をときめかしていました。
スピーカー一個分のゴム板です。いや一個分の材料のはずでした。
フルラバースピーカー

と、その前にStereo8月号です。
相変わらず読むべきところがありませんが、塗装についての記事は後々かなり役立ちました。
Stereo 8月号 フォステクススピーカーユニット

Stereo 8月号 フォステクススピーカーユニット

Stereo 8月号 フォステクススピーカーユニット

Amazonのスピーカーケーブルで雑につないでLUXMANで音出しです。
段ボールに詰め込んだ時点では一昨年のスキャンピークのスピーカーよりもずっといい音であるような気がしました。
stereo8月号付録スピーカーユニットで遊ぶ



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暑い8月1ヶ月半に及ぶゴム板との格闘が始まりました。

ゴムと言えば柔らかいイメージでしたがカッターで切ってみると
10mm厚の合成ゴムの板は想像以上に堅く強い摩擦で刃が進みませんでした。

あと想像していた3倍はゴムの匂いが臭かったです。
作業期間中ずっとゴム長靴の中に住んでいるようでした。

底板とバッフルに10mm厚の合成ゴム
天板には5mmの合成ゴム
リュート型を描く横と後ろには2mmと3mmの天然ゴムを貼り合わせた物を使用しました。
フルラバースピーカー

ここからはさらに苦戦しました。
縁ががたがたに切られたゴム板を立体的に成型しなければなりません。
素材が合成ゴムのため、一パーツが大変に重く接着は困難を極めました。
ゴム用の接着剤は接着までに10時間程度かかります。

ある程度形になったフルラバーエンクロージャー
フルラバースピーカー

内側には適当に補強の意味も込めてウレタンシートを貼り付けました。
フルラバースピーカー

今回、前回の段ボールスピーカーと本気度が違うためにスピーカーターミナルも専用のものを用意しました。
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今回さらに、エンクロージャーをゴムで作る以外にももう一個秘策がありました。
これです↓
フルラバースピーカー

このように天板に吊らして振り子のようにしてエンクロージャーの振動をさらに吸収し中での反響を押さえる構造です。おそらく。
フルラバースピーカー


一向に刃が入らないゴムと、

きついゴム臭と

手についたらもう落ちない絶望の接着剤と

戦うこと、1ヶ月。

ようやく完成しました。

『GOM -ⅰ』です。

フルラバースピーカー GOM-ⅰ

フルラバースピーカー GOM-ⅰ

フルラバースピーカー GOM-ⅰ

<コンセプト>
最新鋭スピーカーのマジコの全く逆を行く完璧なスピーカー。
科学技術の結晶とも言える素材をふんだんに使い、
がっちがちに固められたエンクロージャー。それをつなぎ止める数百のネジ

GOM-ⅰは真逆です。
エンクロージャーにネジは一本も使用していません。
エンクロージャーはふにゃふにゃそのものです。そして素材はありふれたゴムです
マジコのように箱をがっちがちに固めて無駄な音を一切出さないのではなくて
エンクロージャーがすべての無駄な音を吸収する柔軟で賢いスピーカーです。

強く固めた箱の力で無理矢理、音を押さえ込むのではなく
エンクロージャーの制震力によって自然にすべてのエネルギーが吸収される構造です。
発想としては、あの画期的なオリジナルノーチラスのアブソーバーチューブです。

すべてがゴムで出来ているのでインシュレーターやスペーサーといったパーツを必要としないエコな造りです。

形は作りやすさも考えて、805Dを参考にリュート型にしました。




<音>
こんなスピーカーは本当に初めてです。
一言で言うならそう死んだ音。音のしない音。すべての音が主張しない音。
音像は驚くほど引っ込んで小さく小さく展開され、この形ながら低音はあり得ないほど全く出ません。
音量をいくら上げてもエンクロージャーの震えが大きくなるだけで一向に音は大きくなりません。
能率は70dBを切っているのではないでしょうか。




スピーカーコンテストの日付までには完成し無事投稿することが出来ました。
あれから半年。

Stereoがなぜか捨てろに見えてきました。

物作りの難しさ、ちゃんと設計計算することの大切さ。
実際にやってみることのおもしろさ。

一夏の思い出。

記憶の片隅にいつまでもそっと置いておきたい
倉庫の片隅にそっとしまい込んでおきたい

そんなスピーカーが完成しました。
見た目は綺麗だろ?くっそ耳が壊れたような音しか出ないんだぜ、これ。

おわり。

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制作費 おそらく 3万円くらい。
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みかさ
Posted byみかさ

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